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ピックルボールとテニスの違い|コート・ネット・用具・サーブ・得点

ピックルボールとテニスの違い|コート・ネット・用具・サーブ・得点

ピックルボールとテニスの違いとは、同じようにネットを挟んで打ち合う競技でも、コートの大きさ・ネットの高さ・打つ道具とボール・サーブ・得点の数え方が、それぞれ別の規則で決まっていることです。ピックルボールは USA Pickleball の公式ルールブック、テニスは国際テニス連盟(ITF)の Rules of Tennis が定めています。

結論から言うと、ピックルボールのコートはダブルスのテニスコートより長さも幅も小さく、シングルスとダブルスで同じ大きさを使います。サーブは 1 人 1 回で、ネットに触れて入ればそのまま続行。点はサーブ側だけに入ります。テニスはサーブが 2 回まで、ネットに触れて入ればやり直し(レット)、点は 15・30・40 と数えます。この記事では、どちらが優れているかではなく、決まりの違いとして 5 項目を並べます。

この記事の要点

  • コート: ピックルボールは 20×44 フィート(6.10m×13.41m)でシングルスもダブルスも同じ。テニスは長さ 23.77m、幅はシングルス 8.23m・ダブルス 10.97m
  • ネット: ピックルボールは中央 34 インチ・両端 36 インチ。テニスは中央 0.914m、支柱の位置で 1.07m
  • 用具: ピックルボールは硬くへこまない素材のパドルと穴のあいたボール。テニスはガットを張ったラケットと布で覆われたボール
  • サーブ: ピックルボールは 1 人 1 回でネットに触れても続行。テニスは 2 回まででネットに触れればレット
  • 得点: ピックルボールはサーブ側だけが得点し、11 点先取・2 点差が一般的。テニスは 15・30・40・ゲームと数え、6 ゲームでセット

対象読者: テニスをしていて、ピックルボールに興味を持った人。テニスの感覚のまま始めて戸惑わないよう、先に違いを知っておきたい人。

読了後にできること: 5 項目の違いを両競技の規則の数値で説明でき、テニスと同じつもりだと引っかかる決まりを事前に確かめられます。

5項目の違いを一覧で比べる

先に全体を 1 枚の表にまとめます。ピックルボールの数値は USA Pickleball の2026年版の公式ルールブック、テニスの数値は ITF の2026 Rules of Tennisで読めたものだけです。競技そのものの説明は「ピックルボールとは?」にまとめています。

テニスと比べる5項目として、コート、ネットの高さ、打つ道具、サーブ、得点を横に並べ、決まりの違いとして5項目を並べることを添えた図
テニスと比べる5項目

5項目の比較表

項目 ピックルボール(USA Pickleball 2026年版) テニス(ITF 2026 Rules of Tennis)
コート 20×44 フィート。シングルスもダブルスも同じ(3.A.1) 長さ 23.77m。幅はシングルス 8.23m、ダブルス 10.97m(第 1 条)
ネットの高さ 中央 34 インチ、両端 36 インチ(3.B.6・3.B.7) 中央 0.914m、支柱の位置で 1.07m(第 1 条)
打つ道具 硬く、へこまない素材のパドル(3.D.4) フレームにガットを張ったラケット(付録 II)
サーブ 1 人 1 回。ネットに触れて入れば続行(7.E) 2 回まで。ネットに触れて入ればレット(第 20・22 条)
得点 サーブ側だけが得点(4.A)。11 点先取・2 点差が一般的 15・30・40・ゲーム(第 5 条)。6 ゲームでセット(第 6 条)

規則の出どころと大会の決まり

ピックルボールの規則は米国の統括団体、テニスの規則は国際団体のものです。日本の大会では、方式や点数を大会ごとの要項で決めることがあります。ここに並べたのは両団体の規則の上の違いで、出場する大会の決まりは要項で確かめてください。

コートの大きさと線の意味

いちばん大きな違いはコートの広さです。ピックルボールのコートは、ダブルス用のバドミントンコートと同じ大きさです。

コートの長さはピックルボールが44フィート(13.41m)でテニスが78フィート(23.77m)、幅はピックルボールが20フィート(6.10m)でテニスはシングルス8.23m・ダブルス10.97mであることを表にし、ダブルスのテニスコートは約3.2倍と添えた図
コートの大きさの違い

長さと幅

ルールブック第 3.A.1 条では、ピックルボールのコートは幅 20 フィート(6.10m)×長さ 44 フィート(13.41m)の長方形です。ITF の規則の第 1 条では、テニスのコートは長さ 78 フィート(23.77m)、幅はシングルスが 27 フィート(8.23m)、ダブルスが 36 フィート(10.97m)です。面積で比べると、ダブルスのテニスコートはピックルボールのコートの約 3.2 倍です(編集部の計算)。寸法はどちらも線の外側で測ります(ピックルボールは第 3.A.2 条、テニスは第 1 条)。

シングルスとダブルスで幅が変わるか

連盟の統合前のサイトに残る「ピックルボールの設計基準と仕様」のページには、テニスとは異なり、シングルスとダブルスの両方で同じコートサイズを使うと書かれています。テニスはダブルスで幅が 10.97m に広がりますが、ピックルボールはどちらも 20 フィートのままです。各ラインの寸法は「コートサイズと各ラインの寸法」で確かめられます。

サーブを入れる場所の違い

テニスはネットから 21 フィート(6.40m)の位置にサービスラインがあり、サーブはネットとサービスラインの間の対角のサービスコートに入れます(第 1・17 条)。ピックルボールは、ネットから 7 フィート(2.13m)の範囲がノンボレーゾーン(キッチン)で、サーブはこのキッチンを越えて、その奥からベースラインまでの対角のサービスコートに入れます(第 3.A.4.c・7.E 条)。

項目 ピックルボール テニス
長さ 44 フィート(13.41m) 78 フィート(23.77m)
幅 20 フィート(6.10m)。シングルスも同じ シングルス 27 フィート(8.23m)、ダブルス 36 フィート(10.97m)
ネットに近い線 ノンボレーライン。ネットから 7 フィート(2.13m) サービスライン。ネットから 21 フィート(6.40m)
サーブを入れる場所 キッチンを越えた対角のサービスコート ネットとサービスラインの間の対角のサービスコート

ネットの高さの違い

ネットはどちらも中央が低く張られます。ただし、端の高さを測る場所が違います。

ピックルボールのネットは中央34インチ・両端36インチ、テニスは中央0.914m・支柱の位置で1.07mであることを左右に分け、中央で比べるとピックルボールのネットはテニスより約5cm低くなると添えた図
ネットの高さの違い

中央と端の高さ

ルールブック第 3.B.7 条では、ピックルボールのネットはコートの中央で 34 インチ(86.36cm)、第 3.B.6 条ではサイドラインの外側の縁の真上で 36 インチ(91.44cm)です。ITF の規則の第 1 条では、テニスのネットは中央で 3 フィート(0.914m)、ネットを張るコードは支柱の位置で 3.5 フィート(1.07m)の高さを通ります。中央で比べると、ピックルボールのネットはテニスより約 5cm 低くなります(編集部の計算)。

端の高さを測る場所

ピックルボールは「サイドラインの上」で 36 インチを測ります。テニスの支柱は、ダブルスではダブルスのコートの外側 0.914m の位置に立てるとされていて、1.07m はその支柱の位置の高さです。持ち運べるネットでピックルボールのコートを作る時は、サイドラインの上で 36 インチ、中央で 34 インチを測ります。キッチンの決まりは「キッチンのルールと反則の例」で扱っています。

打つ道具とボール

テニスとの違いがいちばん手に伝わるのが道具です。ピックルボールのパドルにはガットがなく、ボールには穴があいています。

打つ面はピックルボールが硬くへこまない素材でテニスは交差させたガット、ボールの表面は丸い穴26〜40個と布で覆われた表面、ボールの重さは22.1〜26.5gと56.0〜59.4gであることを表にした図
道具とボールの違い

パドルとラケット

ルールブック第 3.D.4 条では、パドルは硬く、へこまない素材で作るとされ、第 3.D.5 条では打つ面にゴムや紙やすりのような加工などを付けてはいけないとされています。大きさは第 3.D.2 条で、長さ 17 インチ(43.18cm)以下、長さと幅の合計 24 インチ(60.96cm)以下です。厚さと重さには制限がありません(第 3.D.2・3.D.3 条)。ITF の規則の付録 II では、テニスのラケットはフレームとガットでできていて、全長 73.7cm 以下、幅 31.7cm 以下とされています。パドルの種類や規定の詳しい話は「ラケット(パドル)の基礎知識」に任せます。

ボール

連盟の設計基準と仕様のページでは、ピックルボールのボールは滑らかな表面のポリマー素材で、直径 7.29〜7.54cm、重さ 22.1〜26.5g、丸い穴が 26〜40 個とされています。ITF の規則の付録 I では、テニスのボールは布で覆われた表面(一部のスポンジ製のボールを除く)で、タイプ 1・2 は直径 6.54〜6.86cm、重さ 56.0〜59.4g です。

項目 ピックルボール テニス
打つ面 硬く、へこまない素材(3.D.4) 交差させたガット(付録 II)
道具の長さ 17 インチ(43.18cm)以下(3.D.2) 73.7cm 以下(付録 II)
道具の重さ 制限なし(3.D.3) 記載なし(付録 II に重さの上限の項目がない)
ボールの表面 滑らかな表面・丸い穴 26〜40 個 布で覆われた表面
ボールの直径 7.29〜7.54cm 6.54〜6.86cm(タイプ 1・2)
ボールの重さ 22.1〜26.5g 56.0〜59.4g

サーブの決まりの違い

サーブは、テニス経験者がいちばん戸惑いやすいところです。打ち方・回数・ネットに触れた時の扱いの 3 つで違いがあります。

サーブはピックルボールが1人1回でネットに触れて入れば続行、テニスは2回までネットに触れて入ればレットであることを左右に分けた図
サーブの決まりの違い

打ち方と打つ位置

ピックルボールは 2 つの打ち方が認められています。空中で打つボレーサーブは、パドルが上向きの弧を描く、パドルの先が手首より上に出ない、ボールが腰より高くない、の 3 つの条件があります(第 7.C 条)。落として弾ませてから打つドロップサーブは、この 3 条件が問われません(第 7.D 条)。テニスは第 16 条で、両足をベースラインの後ろに置いて静止し、手で離したボールを地面に落ちる前に打つとされています。打つ側は、テニスが各ゲームを右から始めて左右交互(第 17 条)、ピックルボールは得点が偶数か奇数かで決まります(第 5.A・5.B 条)。サーブの条文の詳しい話は「サーブのルールと打つ順番」をどうぞ。

回数とネットに触れた時

USA Pickleball のルール要約(Pickleball Rules Summary)では、サーブは 1 人 1 回とされています。第 7.E 条では、サーブはネットに触れても触れなくても、キッチンを越えて正しいサービスコートに入れば有効です。テニスは第 20 条で 1 本目がフォルトなら 2 本目を打て、第 24 条で 2 本続けてフォルトすると失点です。第 22 条では、ネットに触れて正しく入ったサーブはレットで、打ち直しになります。

サーブを受けた後の決まり

レシーバーがサーブを弾ませてから返すのは、どちらも同じです(テニスは第 24 条、ピックルボールは第 10.A.1 条)。ピックルボールではさらに、サーブ側もリターンを弾ませてから打たなければなりません(第 10.A.2 条)。この「ツーバウンドルール」は「ツーバウンドルールとは」で詳しく扱っています。

得点の数え方の違い

サーブ側の点を先に言う点は同じですが、点の入り方と数え方は大きく違います。

ピックルボール: サーブ側だけが得点する

ルールブック第 4.A 条では、点が入るのはサーブをしてラリーに勝った時だけです。第 1 節では、11 点を先に取り、2 点以上の差をつけた側が勝つのが一般的とされ、ルール要約には大会では 15 点や 21 点のゲームもあると書かれています。ダブルスのコールは、サーブ側の点・レシーブ側の点・サーバーの番号の 3 つの数字です(第 6.B.2 条)。どちらが得点しても 1 点が入るラリー方式も、暫定の方式として認められています(第 14.A 条)。数え方の実例は「得点の数え方とスコアコール」で追えます。

テニス: 15・30・40・ゲーム

ITF の規則の第 5 条では、ゲームの点はサーバーの点を先にして、0(ラブ)・15・30・40・ゲームと数え、3 対 3 になるとデュースで、そこから 2 点続けて取った側がゲームを取ります。第 6 条では、6 ゲームを先に取り 2 ゲーム以上の差がつけばセットで、6 対 6 でタイブレークを行う方式もあります。第 7 条では、試合は 3 セットマッチか 5 セットマッチです。

バドミントンの経験がある人は「バドミントンとの違い|同じ広さのコートで比べる」で、ネットの高さや点の入り方の違いを規則の数値で確かめられます。

よくある質問

Q. ピックルボールのコートはテニスコートより小さいですか?

A. 小さいです。ピックルボールは 20×44 フィート(6.10m×13.41m)で、ダブルスのテニスコートは長さ 23.77m・幅 10.97m です。

Q. テニスコートでピックルボールはできますか?

A. 連盟の統合前のサイトに残る設計基準のページでは、既存のテニスコートやバドミントンコートを転用できると書かれています。

Q. テニスのラケットでピックルボールをしてもよいですか?

A. ルールブック第 3.D.4 条では、パドルは硬く、へこまない素材で作るとされていて、ガットを張ったテニスのラケットとは作りが違います。

Q. テニスのようにセカンドサーブはありますか?

A. ありません。USA Pickleball のルール要約では、サーブは 1 人 1 回とされています。

Q. サーブがネットに当たって入ったらどうなりますか?

A. ピックルボールはそのまま続行です(第 7.E 条)。テニスは第 22 条でレットになり、サーブを打ち直します。

Q. 得点の読み上げ方は同じですか?

A. サーブ側の点を先に言う点は同じです。ピックルボールのダブルスは 3 つ目にサーバーの番号を加え、テニスは 15・30・40 と数えます。

参考・出典

この記事のコート・ネット・用具・サーブ・得点の数値と規定は、2026年9月30日に USA Pickleball の2026年版ルールブックとルール要約、連盟の統合前のサイトに残る設計基準と仕様のページ、ITF の2026 Rules of Tennis を開いて確認した内容です。規則は改定されることがあり、大会では方式が要項で決まるので、出場前は各公式ページと大会の要項でご確認ください。面積と高さの差は、公式の数値から編集部が計算したものです。原文は転載せず、要点をまとめています。

最終更新日: 2026年10月6日

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