ピックルボールのサーブとは、ラリーを始めるためにパドルでボールを最初に打つことで、2026年版の USA Pickleball 公式ルールブックでは第 7 節にその条件がまとめられています。サーブはアンダーハンドで、ベースラインの後ろから対角線上の相手のサービスコートへ入れます。
結論から言うと、サーブで守ることは「足の位置」「打ち方」「入れる場所」の 3 つで、ダブルスでは「打つ順番」が加わります。ネットに触れて正しい場所に入ったサーブはそのまま続行、サーブは 1 人 1 回、スコアコールが終わってから 10 秒以内に打つ、とされています。
この記事の要点
- 足の位置: 打つ瞬間に少なくとも片足がサービングエリア(ベースラインの後ろ)に着き、どちらの足もコートやその外の地面に触れない(第 7.A 条)
- 打ち方: ボレーサーブは「上向きの弧」「パドルの先が手首より上に出ない」「腰より高くない」の 3 条件、ドロップサーブはこの 3 条件が問われない(第 7.C・7.D 条)
- 入れる場所: 対角の相手のサービスコート。キッチン(ノンボレーゾーン)とその線に落ちたらフォルト。ネットに触れて入ればそのまま続行(第 7.E 条)
- 打つ順番: ダブルスは 2 人ともサーブしてからサイドアウト。ゲームの最初だけ 1 人目で終わる(第 5.B 条)
- コール: ダブルスは 3 つの数字。コールが終わってから 10 秒以内に打つ(第 6.B・6.D 条)
対象読者: 練習会や大会でサーブについて注意され、どのルールに引っかかったのか分からなかった人。ルールブックの条文番号で確かめたい人。
読了後にできること: 自分のサーブが 2026年版のどの条文に当たるかを言え、サーブ権の移り方とスコアコールを条文番号つきで説明できます。
サーブの条文は2026年版で第5〜7節にまとまった
条文で確かめる時に、まず知っておきたいのが 2026年版で番号が変わったことです。USA Pickleball の2026年版の公式ルールブックでは、サーブに関わる規則が第 5 節(プレーヤーの位置とサーブの順番)、第 6 節(準備とスコアコール)、第 7 節(サーブ)の 3 つに分かれています。ルール全体の流れは「ピックルボールのルールを初心者向けに整理」、競技そのものの説明は「ピックルボールとは?」に任せ、この記事はサーブの条文だけを追います。

2025年版の第4節からの番号の変わり方
2026年版の変更点文書(Rulebook Change Document)は 2025年12月17日に公開され、各項目に「2025年の条文番号/2026年の条文番号」が併記されています。サーブがサービスコートの外に落ちた時のフォルトは第 4.M.4 条から第 7.E.1 条へ、ボレーサーブの腕の振りは第 4.A.7.a 条から第 7.C.1 条へ、誤ったスコアの扱いは第 4.K 条から第 6.F 条へ移りました。
条文を読む時の3つの言葉
ルールブック第 2 節の定義では、サーブは「ラリーを始めるためのパドルによる最初の打球」、サービスコートは「センターラインの両側の区画で、ノンボレーゾーンを除いた範囲」、サービングエリアは「各エンドのベースラインの後ろの区域」です。第 3.A.4.g 条では、サービングエリアの左右の境はサイドラインとセンターラインを後ろへ延ばした仮想の線とされています。コートの寸法は「コートサイズと各ラインの寸法」で確かめられます。
足の位置とサービングエリア(第7.A条)
サーブで注意される回数がいちばん多いのが足の位置です。第 7.A 条は、打つ瞬間の足について 3 つの条件を挙げ、どれか 1 つでも外れるとサーバーのフォルトとしています。

少なくとも片足がサービングエリアに着いている
第 7.A.1 条では、サーブを打つ瞬間に、少なくとも片方の足が正しいサービングエリアに接していなければならないとされています。両足が地面から離れていると第 7.A.1.a 条のフォルトです。
コートに触れない・サービングエリアの外に出ない
第 7.A.2 条では、打つ瞬間にどちらの足もコートに触れてはいけないとされています。第 2 節の定義でコートは「ベースラインとサイドラインの外側の縁までの範囲」なので、ベースラインを踏んだ状態で打つとフォルトです。第 7.A.3 条では、どちらの足もサービングエリアの外の地面に触れてはいけないとされ、サイドラインやセンターラインを後ろへ延ばした仮想の線より外に足があるとフォルトです。統合前の協会のルールページ(保存版)でも、片方の足をベースラインより後ろに着け、打つまでベースラインを踏んだりコートに入ったりしてはいけないと日本語で説明されています。
だれが足の反則をコールできるか
第 9.B.3 条では、相手に対してコールできるフォルトは、ノンボレーゾーンの反則とサーブの足の反則の 2 つだけとされています。判定の原則は「アウトとフォルトの判定基準」で扱っています。
ボレーサーブとドロップサーブの条件(第7.B〜7.D条)
打ち方は 2 種類あり、どちらも認められています。空中で打つボレーサーブには 3 つの条件が付き、落として弾ませてから打つドロップサーブはその 3 条件が問われません。打ち方のコツは「サーブの打ち方」に任せ、ここでは条文の中身だけを見ます。

ボールの離し方(第7.B条)
第 7.B.1 条では、ボールは片手だけ、またはパドルだけで離すとされています。第 7.B.2 条では、離す時に体やパドルでボールに回転をかけてはいけない一方、パドルで打つ瞬間に回転をかけることは認められています。第 7.B.3 条では、離す動作はレシーバーから見えなければならないとされています。
ボレーサーブの3条件(第7.C条)
第 7.C.1 条から第 7.C.3 条では、パドルがボールに当たる瞬間について、(1) パドルがはっきりと上向きの弧を描いて動いている、(2) パドルの先(ヘッド)のいちばん高い点が手首の関節のいちばん高い部分より上にはっきり出ていない、(3) ボールがサーバーの腰よりはっきり高くない、の 3 つが求められます。2026年版では 3 つとも「はっきりと」にあたる語(clear/clearly)が加わり、変更点文書には、より強く運用しやすい規則にするためと説明されています。フォアハンドでもバックハンドでもよく(第 7.C.4 条)、3 条件のどれかに反するとサーバーのフォルトです(第 7.C.5 条)。USA Pickleball のルール要約(Pickleball Rules Summary)にも同じ 3 点が挙げられています。
ドロップサーブの条件(第7.D条)
第 7.D 条では、ドロップサーブはボールを落とし、地面で弾んでからパドルで打つサーブと定義されています。条件は、(1) 補助を加えない自然な高さから離す(第 7.D.1 条)、(2) 離す時にどの方向にも勢いを加えない(第 7.D.2 条)、の 2 つです。弾む回数と場所には制限がなく(第 7.D.3・7.D.4 条)、フォアハンドでもバックハンドでもよいとされています(第 7.D.5 条)。統合前の協会のルールページ(保存版)では、ドロップサーブは 2021 年に暫定ルールとして導入され、地面にたたきつけることと上に投げることは禁止、ゲームの途中で打ち方を変えてもよいと説明されています。
| 条件 | ボレーサーブ | ドロップサーブ |
|---|---|---|
| ボールの出し方 | 片手かパドルで離し、空中で打つ | 自然な高さから落とし、弾ませてから打つ |
| パドルの動き | はっきり上向きの弧(7.C.1) | 問われない |
| パドルの先の高さ | 手首より上に出ない(7.C.2) | 問われない |
| ボールの高さ | 腰より高くない(7.C.3) | 問われない |
| 離す時の勢い・回転 | 回転をかけない(7.B.2) | 勢いを加えない・回転をかけない(7.D.2・7.B.2) |
| 弾む回数 | 弾ませない | 制限なし(7.D.3) |
入れる場所とネットに触れた時(第7.E条)
第 7.E 条は「どこへ入れるか」と「何に当たるとフォルトか」を定めています。

対角のサービスコートに、キッチンを越えて
第 7.E 条では、サーバーは自分の正しい位置から対角線上の相手のサービスコートへサーブし、ボールは相手のノンボレーゾーン(キッチン)を越えて正しいサービスコートに落ちなければならないとされています。サービスコートの外に落ちれば第 7.E.1 条、ノンボレーゾーンに落ちれば第 7.E.2 条のフォルトです。第 8.C 条では、ノンボレーゾーンの線の上に落ちたサーブも「アウト」とされています。キッチンの線だけはライン上でもアウト、と覚えておくと迷いません。キッチンそのものの決まりは「キッチンの反則」で整理しています。
ネットに触れて入ったサーブはそのまま続行
第 7.E 条の本文には「ネットに触れても触れなくても(with or without touching the net)」と書かれていて、ネットに触れて正しいサービスコートに入ったサーブは、そのままラリーが続きます。統合前の協会のルールページ(保存版)には、2021 年のルール改正で「サービスレット」が廃止され、ネットに当たってから規定のゾーンに入ればそのまま続行、入らなければフォルトと説明されています。ただし第 13.B 条で、サーブがネットの支柱などの支持部分に当たった場合はフォルトとされています。
人や物に当たった時
第 7.E.3 条では、サーブが落ちる前に固定物に当たるとサーバーのフォルト、第 7.E.4 条では、サーバー本人かそのパートナーに当たるとサーバーのフォルトです。反対に第 7.E.5 条では、落ちる前にレシーバーかそのパートナーに当たった場合はレシーバー側のフォルトとされています。
サーブ権の移り方と打つ順番(第5節)
ここからは、ダブルスで混乱しやすい「だれが、どこから、いつまで打つか」です。第 5 節が定めています。得点の数え方と立ち位置の詳しい説明は「得点の数え方とスコアコール」に任せ、ここではサーブ権の移り方だけを追います。

シングルス: 偶数は右、奇数は左
第 5.A.1 条では、サーバーの得点が 0 か偶数の時は右のサービングエリアから相手の右のサービスコートへ、奇数の時は左から相手の左へサーブするとされています。ラリーを落とすまで同じ人が左右を入れ替えながら続け(第 5.A.2 条)、落とすとサイドアウト(第 5.A.3 条)で相手にサーブ権が移ります。
ダブルス: 2人とも打ってからサイドアウト
第 5.B 条では、ダブルスはチームの 2 人ともがサーブしてからサイドアウトになります。例外はゲームの最初で、最初にサーブするチームはスターティングサーバー 1 人だけがサーブし、この人は「第 2 サーバー」として扱われます。だから最初のコールは「0-0-2」です。第 5.B.2 条では、サイドアウトの後、チームの得点に応じて右側に正しく立っている人が第 1 サーバー、そのパートナーが第 2 サーバーになります。第 5.B.5・5.B.6 条では、第 1 サーバーは得点するたびに左右を入れ替えながらラリーを落とすまで打ち、次に第 2 サーバーが同じように打ち、落とすとサイドアウトです。
順番やレシーバーを間違えた時
第 5.C 条では、サーブが打たれる前なら、だれが正しいサーバー・レシーバーかを相手に尋ねることができます。第 5.C.1 条では、ラリーを止めて誤りを指摘した場合、正しければやり直し、誤っていれば止めた人のフォルトです。ラリーが終わってから気づいた場合、結果は有効です(第 5.C.2 条)。
| 場面 | シングルス | ダブルス |
|---|---|---|
| どちらから打つか | 自分の得点が偶数なら右・奇数なら左(5.A.1) | チームの得点で決まる(5.B.3) |
| 何人打つか | 1 人 | 2 人。ゲームの最初だけ 1 人(5.B) |
| サーブ権が移る時 | ラリーを落とした時(5.A.3) | 2 人ともラリーを落とした時(5.B.6) |
| スコアコール | 2 つの数字(6.B.1) | 3 つの数字・最初は 0-0-2(6.B.2) |
スコアコール・10秒ルール・よくある失敗(第6節)
サーブの前のコールにも条文があります。第 6 節は「いつ打ってよいか」を定めていて、早く打ちすぎても遅すぎてもフォルトになります。
スコアを全部コールしてから打つ
第 6.B 条では、サーバーとレシーバーが位置につき、全員が準備できるまでスコアをコールしてはいけないとされ、通常はサーバーがコールします。ダブルスは「サーブ側の得点、レシーブ側の得点、サーバーの番号」の 3 つの数字です(第 6.B.2 条)。第 6.C 条では、スコアを全部コールし終えてからサーブを打たなければならず、コールの途中で打つと第 6.C.1 条のフォルトです。
10秒ルール
第 6.D 条では、サーバーはスコアコールが終わってから 10 秒以内にサーブしなければならず、超えると第 6.D.1 条のフォルトです。第 6.D.2 条では、コールの後にサーブ側がサービングエリアを入れ替えた場合、全員が位置につくのを待ってスコアをコールし直し、10 秒を数え直すとされています。
サーブでよくある失敗
- ベースラインを踏んで打つ: 第 7.A.2 条のフォルト。線の一歩後ろに立つ習慣を付けます
- キッチンの線に落ちる: 第 8.C 条でアウト。ラリー中の打球と違い、サーブだけは線上がアウトです
- ネットに当たったからと打ち直す: 入っていればそのまま続行。打ち直しの決まりはありません
- 0-0-2 を 0-0-1 と言う: ゲームの最初は第 2 サーバー扱い(第 5.B 条)
ルールブックの入手先や読み方は「ルールブックの入手先と読み方」で紹介しています。
よくある質問
Q. サーブは何回まで打てますか?
A. 1 人 1 回です。統合前の協会のルールページ(保存版)には「サーブは1回のみ」と書かれていて、失敗すればそのラリーを失います。
Q. サーブがネットに当たって入ったらやり直しですか?
A. やり直しではなく続行です。2021 年の改正でサービスレットが廃止され、2026年版の第 7.E 条も「ネットに触れても触れなくても」としています。
Q. ドロップサーブは何回弾ませてもよいのですか?
A. 第 7.D.3 条では弾む回数に制限がないとされています。ただし落とす時に勢いを加えると第 7.D.6 条のフォルトです。
Q. サーブの時、足はどこにあればよいですか?
A. 打つ瞬間に少なくとも片足がベースラインの後ろのサービングエリアに着き、どちらの足もコートや区域の外に触れていないことです(第 7.A 条)。
Q. ダブルスの最初のコールはなぜ 0-0-2 なのですか?
A. ゲームの最初は 1 人だけがサーブし、その人が第 2 サーバー扱いになるためです(第 5.B 条・第 6.B.2 条)。
Q. 相手のサーブの足の反則をこちらからコールできますか?
A. できます。第 9.B.3 条では、相手にコールできるフォルトはキッチンの反則とサーブの足の反則の 2 つとされています。
参考・出典
この記事のサーブの条件・順番・コールの規定は、2026年9月30日に USA Pickleball の 2026年版ルールブックと変更点文書、統合前の協会の公式ルールのページ(保存版)を開いて確認した内容です。条文の番号と内容は年ごとに改定されることがあるので、大会に出る前は公式のページをご確認ください。原文は転載せず、条文番号つきで要点をまとめています。
- 2026 USA Pickleball Official Rulebook(PDF)
- 2026 USA Pickleball Rulebook Change Document(PDF)
- Pickleball Rules Summary(USA Pickleball)
- Pickleball Rules(USA Pickleball)
- 公式ルール|統合前の日本ピックルボール協会のページ(2026年1月9日の保存版)
最終更新日: 2026年10月4日
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