ピックルボールのラケットとは、ガットを張らない板状の打具のことで、競技の中では「パドル」と呼ばれます。硬くてへこまない素材で作られ、大会で使うものは寸法や表面の性質について決められた基準を満たす必要があります。
結論から言うと、最初の 1 本は「大会に出るつもりがあるなら公認パドルの一覧に載っているもの」「遊びが中心なら持ちやすさと重さを優先したもの」を選べば大きく外しません。規定で決まっているのは主に寸法と表面の性質で、厚みと重さには上限がありません。そのぶん、厚み・重さ・形はメーカーごとに幅があり、ここが選ぶときの分かれ道になります。
この記事の要点
- 正式な呼び方は「パドル」。日本では「ラケット」と呼ばれることも多く、同じものを指します
- USA Pickleball の規定では、長さと幅の合計が 24 インチ(60.96cm)以内、長さは 17 インチ(43.18cm)以内です
- 厚みと重さには規定上の制限がありません
- 大会で使えるかどうかは、USA Pickleball の公認パドル一覧で型番を検索して確かめます
- 種類は、面の素材(グラスファイバー・カーボン)、芯の厚み、面の形で大きく分かれます
対象読者: ピックルボールを始めたばかりで、自分のパドルを買うか迷っている人。体験会で借りたパドルとの違いが気になった人。
読了後にできること: パドルの規定と種類を理解したうえで、メーカーの仕様表を見て候補を 2〜3 本に絞れます。
パドルとは何か:ラケットとの違い
ピックルボールの打具は、テニスやバドミントンのラケットと違って網(ガット)がありません。USA Pickleball のWhat Is Pickleball?でも、プレーヤーは硬く、つぶれない素材のパドルと、穴のあいたプラスチックのボールを使うと説明されています。

日本の連盟の公式ルールのページでも、「パドルと呼ばれるラケット」と紹介されています。検索では「ピックルボール ラケット」と調べる人が多いですが、お店やメーカーの商品ページでは「パドル」と書かれていることがほとんどです。買い物のときは両方の言葉で探すと見つけやすくなります。
競技の全体像やコートの広さから知りたい人は、先にピックルボールとは?の記事を読んでおくと、この先の話がつながりやすくなります。
| 比べる点 | ピックルボールのパドル | テニスのラケット |
|---|---|---|
| 打つ面 | 硬い板状(穴やくぼみは不可) | ガットを張った網 |
| 規定されている寸法 | 長さと幅の合計、長さの上限 | テニスの規則で別に定める |
| 厚みと重さ | 規定上の制限なし | テニスの規則を参照 |
| 打つもの | 穴あきのプラスチックボール | フェルトのボール |
公式規定で決まっていること
パドルの規定は、USA Pickleball のEquipment Standards Manual(2025 年 1 月の改訂 3.0)に細かくまとめられています。ここでは、プレーヤーが知っておくと役に立つ部分だけを要約します。原文は英語の技術資料なので、細部は必ずリンク先で確認してください。

| 項目 | 規定の内容(2025 年 1 月の改訂 3.0) |
|---|---|
| 寸法 | 長さと幅の合計が 24 インチ(60.96cm)以内。エッジガードとグリップ端のキャップを含む |
| 長さ | 17 インチ(43.18cm)以内 |
| 厚み | 制限なし |
| 重さ | 制限なし |
| 素材 | 安全で、硬くつぶれない素材 |
| 打球面 | 穴・くぼみ・ざらついた加工など、過度な回転をかける仕組みは不可 |
| 反射 | 相手の視界を妨げるほど光る面やエッジガードは不可 |
| 表示 | ブランド名とモデル名(または型番)、公認の表示が必要 |
表面の性質は、粗さや摩擦、反発を測る試験で確かめられます。反発については「PBCoR」という試験の上限値が決められていて、資料には 2024 年 11 月 1 日から 0.44、2025 年 11 月 1 日から 0.43 に引き下げると書かれています。ばねのような素材や、面をトランポリンのように弾ませる素材が禁止されているのも、この反発を抑えるためです。
プレーヤーが自分で手を加えることにも決まりがあります。エッジガード用のテープやグリップテープ、メーカー純正の重りなどは認められていますが、シールやテープはグリップの上端から 1.0 インチ(2.54cm)まで、外周からは内側 0.5 インチ(1.27cm)までに収める必要があります。
日本の連盟とパドルの関係
国内では、2026 年 4 月に統合した一般財団法人ピックルボール日本連盟が統括団体です。連盟のサイトには公認メーカー規定のページがあり、公認メーカー・アイテムを募集していると案内されています。国内大会で使えるパドルの条件は大会ごとの要項に書かれるので、出場前に要項で確認してください。
公認パドルの確かめ方 4 ステップ
大会で使えるかどうかは、見た目や価格では判断できません。USA Pickleball の資料では、試合で使うパドルが公認一覧に「Pass」として載っているかを確かめるのはプレーヤーの責任とされています。手順は次のとおりです。

- パドルの型番を確認する: パドル本体か箱に、ブランド名とモデル名(または型番)が書かれています
- 公認一覧を開く: USA Pickleball の公認パドルの一覧を開きます。2026 年 9 月 28 日に開いた時点では 5,369 件が表示されていました
- ブランド名かモデル名で検索する: 一覧の検索窓に入れます。結果が出ないときは、名前の一部だけで検索するよう案内されています
- 厚みの違いまで照合する: 同じシリーズでも厚みや素材で別の型番になるため、手元の 1 本とぴったり一致するものを探します
USA Pickleball の公認機器のサイトの FAQ によると、公認を取り消されたパドルが使えなくなるのは公認大会の試合だけで、遊びのプレーでは引き続き使えます。資料には、大会中に規定外のパドルが見つかった場合の扱いも書かれています。
| 見つかった時点 | 扱い(資料の要約) |
|---|---|
| 試合開始前 | 公認のパドルに替えれば罰則なし |
| 試合中 | その試合は没収 |
| 試合終了後 | その試合の結果はそのまま |
同じ資料の冒頭には、2016 年に始まった機器評価の委員会で、これまでに 5,000 本を超えるパドルと 400 個のボールが試験されたと書かれています。
面の素材・厚み・形による種類の違い
公認かどうかを確かめたら、次は自分に合う種類を選びます。パドルは、面の素材、芯(コア)の厚み、面の形の 3 つで性格が変わります。ここでは国内に公式ページがあるメーカーの表記を例に、違いを整理します。
ヨネックスのピックルボール特設ページでは、パドルの構造としてグラスファイバー、高強度カーボン、PP ハニカムコアの 3 層が紹介されています。また同じページで、四隅を広げてスウィートエリアを広くした「EZONE」と、頭部の面積を抑えて振り抜きを重視した「VCORE」という 2 つの形が並んでいます。JOOLA の国内サイトのパドル一覧を見ると、同じモデル名で 14mm と 16mm の 2 つの厚みが用意されている商品があります。
| 分かれ目 | 選択肢の例 | 選ぶときの見方 |
|---|---|---|
| 面の素材 | グラスファイバー、カーボン | メーカーが説明する打球感と反発の特徴を読む |
| 芯(コア)の厚み | 14mm、16mm など | 同じモデルで厚み違いがあれば両方の説明を比べる |
| 面の形 | スウィートエリアの広い形、振り抜き重視の形 | 当たりやすさを取るか、振りやすさを取るか |
| 重さ | 規定上の制限なし | 各メーカーの仕様表の数値で比べる |
| グリップ | 太さ・長さはモデルごと | 握ったときに指が回りすぎないか |
どの組み合わせが「上手くなる」かは、プレースタイルや体格で変わります。当サイトでは試打に基づかない順位付けはしません。数字で比べられるのは仕様表に載っている重さ・厚み・寸法なので、候補が決まったら公式の仕様表を横に並べて見比べるのがおすすめです。価格は時期や販売店で変わるため、メーカーの公式通販で確認してください。
最初の 1 本を選ぶ手順
ここまでの話を、買うときの順番にまとめます。
- まず借りて打つ: 体験会や施設のレンタルで、何本か打ち比べてみます。連盟によるパドルとボールのレンタルは2024 年度から中止されているため、貸し出しの有無は体験会や施設ごとに確認します。探し方はピックルボール体験会の記事にまとめています
- 大会に出るかを決める: 出る可能性があるなら、公認一覧に載っている型番から選びます
- 形を決める: 当たりやすさを重視するならスウィートエリアの広い形、振りやすさを重視するなら振り抜き重視の形を候補にします
- 仕様表で厚みと重さを比べる: 同じモデルの厚み違いがあれば、メーカーの説明を読み比べます
- 握って確かめる: 店頭や練習会で実物を握り、グリップの太さが手に合うかを確かめます
東京近郊でコートを探している人は東京のピックルボールコートも参考にしてください。パドルを手に入れたら、次はルールを覚えて試合に出る番です。ピックルボールのルールの整理で、サーブやキッチンの決まりを先に確認しておきましょう。
パドル選びでよくある失敗
- 「ラケット」だけで検索して選択肢を狭める: 商品ページの多くは「パドル」と表記しています。両方の言葉で探しましょう
- 公認を確かめずに大会用として買う: 型番が一覧に載っているかを、買う前に確認します。同じシリーズでも厚み違いは別の型番です
- シールやテープを自由に貼る: 貼ってよい範囲には決まりがあります。大会で使う予定があるなら、規定の範囲に収めます
- 重さや厚みを仕様表で見ずに決める: 規定に上限がないぶん、モデルごとの差は大きくなります。数字で比べるのが確実です
- 打ちにくさを我慢して使い続ける: 手首やひじに違和感が続くときは使用を控え、痛みが続く場合は医療機関に相談してください
よくある質問
Q. ピックルボールのラケットとパドルは違うものですか?
A. 同じものです。競技の中では「パドル」が正式な呼び方で、日本では「ラケット」と呼ばれることも多いです。
Q. パドルの大きさに決まりはありますか?
A. USA Pickleball の規定では、長さと幅の合計が 24 インチ以内、長さが 17 インチ以内です。厚みと重さには制限がありません。
Q. 公認パドルかどうかはどうやって調べますか?
A. USA Pickleball の公認パドル一覧を開き、ブランド名かモデル名で検索します。手元の型番と厚みまで一致するかを確かめてください。
Q. 公認が取り消されたパドルは練習でも使えませんか?
A. 公認機器サイトの FAQ では、使えなくなるのは公認大会の試合だけで、遊びのプレーでは引き続き使えると説明されています。
Q. グラスファイバーとカーボンのどちらを選べばいいですか?
A. 打球感や反発の特徴はメーカーごとに説明が違うため、候補の仕様表を読み比べ、できれば試打して決めるのが確実です。
Q. 国内の大会ではどのパドルが使えますか?
A. 大会ごとの要項に使用できるパドルの条件が書かれます。出場を決めたら、主催者が公開している要項で必ず確認してください。
参考・出典
この記事の料金・日程・規定は、2026年9月28日に各公式ページを開いて確認した内容です。変更されることがあるので、利用の前に公式ページでご確認ください。
- Equipment Standards Manual(2025 年 1 月・改訂 3.0)|USA Pickleball
- USA Pickleball Approved Equipment
- USA Pickleball 公認パドル一覧(Paddle List)
- What Is Pickleball?|USA Pickleball
- 公式ルール|PICKLEBALL JAPAN(一般財団法人ピックルボール日本連盟)
- 公認メーカー規定|PICKLEBALL JAPAN
- プレイ・参加する|PICKLEBALL JAPAN
- ピックルボール特設ページ|ヨネックス
- ピックルボール パドル一覧|JOOLA 国内サイト
最終更新日: 2026年9月28日
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