ピックルボールのサーブとは、ベースラインの後ろから下向きの弧でボールを打ち、対角線の相手側のサービスコートに入れる、ラリーの最初の1球です。1人1回しか打てないので、強さよりも「毎回入ること」が何より大事なショットです。
結論から言うと、サーブを安定させる近道は、まず空中で打つボレーサーブか、弾ませてから打つドロップサーブのどちらかに決め、毎回同じ構えとボールの離し方から、肩を支点に振り子のように振り切ることです。入るようになってから、ベースラインの少し手前を狙って深さを出します。
この記事の要点
- サーブは「腰より下で打つ」「パドルの先が手首より上に出ない」「下向きの弧で振る」の3つが条件です。ドロップサーブならこの3つは問われません
- はじめは、ボールを落として弾ませてから打つドロップサーブのほうがタイミングを合わせやすいと、USA Pickleball の技術ページでも紹介されています
- 打ち方は「構え→決まった動き→ボールを離す→肩から振る→振り切る」の5ステップで固めます
- 狙いはベースラインの2〜3フィート(約60〜90cm)内側。深く、相手のバックハンド側へ入れるのが基本です
- 入らない時は、手首や肘だけで打っていないか、振り切る前に止めていないかを先に確かめます
対象読者: 体験会やレッスンでルールは覚えたものの、サーブが入ったり入らなかったりする人。
読了後にできること: ルールで許される範囲の中で自分の打ち方を1つに決め、同じ手順で深く入れるサーブの練習を始められます。
打つ前に確かめるサーブの条件
サーブの打ち方を工夫する前に、ルールで許される範囲を知っておくと、練習で身につけた形が試合で反則にならずにすみます。ここでは USA Pickleball のPickleball Rules Summaryと、統合前の日本ピックルボール協会のルールページ(保存版)の要点を、当サイトの言葉でまとめます。ルール全体の流れやサーブの順番は「ピックルボールのルールを初心者向けに整理」に任せ、ここでは打ち方に関わる条件だけを取り上げます。

ボレーサーブで守る3つの条件
ボールを手から離し、地面に着く前に打つのがボレーサーブです。ルールの要約では、次の3つを同時に満たす必要があります。
- 腕を下向きの弧で振る: ボールを打つ瞬間、腕が下から上へ向かう動きの途中であること
- 腰より下で打つ: パドルがボールに当たる位置が腰の高さを超えないこと
- パドルの先が手首より上に出ない: 当たる瞬間、パドルの先(ヘッド)が手首のいちばん高い部分より上にないこと
統合前の協会のルールページ(保存版)でも、腰(へそ)より低い位置で打つこと、手首が腰より低くてもパドルの先が手首より上なら反則になることが説明されています。
ドロップサーブで変わること
ボールを手から落とし、一度弾ませてから打つのがドロップサーブです。ルールの要約では、この打ち方なら上の3つの条件は問われません。統合前の協会のルールページ(保存版)によると、ドロップサーブは2021年に暫定ルールとして導入されました。同じページには、ボールを地面にたたきつけたり、上に投げてから落としたりしてはいけないこと、1ゲームの途中でボレーサーブと入れ替えてもよいことも書かれています。
足の位置と入れる場所
どちらの打ち方でも、打つ瞬間に少なくとも片足がベースラインの後ろの地面に着いていて、どちらの足もコートの中やベースラインに触れていないことが条件です。サイドラインとセンターラインを後ろへ延ばした線の外に出てもいけません。ボールは対角線の相手側のサービスコートに入れ、ノンボレーライン(キッチンの線)に触れたら「ショート」でフォルトです。キッチンとサービスコートの寸法は「コートサイズと各ラインの寸法」で図と一緒に確かめられます。
| 条件 | ボレーサーブ | ドロップサーブ |
|---|---|---|
| 腕を下向きの弧で振る | 必要 | 問われない |
| 腰より下で打つ | 必要 | 問われない |
| パドルの先が手首より上に出ない | 必要 | 問われない |
| ボールの出し方 | 手から離して空中で打つ | 手から落とし、弾ませてから打つ(投げ下ろさない) |
| 足の位置 | 片足をベースラインの後ろに着き、線とコートに触れない | 同じ |
| 回数 | 1人1回 | 1人1回 |
ボレーサーブとドロップサーブの選び方
2つの打ち方はどちらも正式に認められていて、どちらが上ということはありません。選ぶ基準は「自分が毎回同じ形で打てるのはどちらか」です。

迷ったらドロップサーブから始める
USA Pickleball のドロップサーブの技術ページでは、ドロップサーブは初心者から中級者がサーブを安定させ、基本を身につけるのに向いた方法として紹介されています。弾んだボールがいちばん高くなった瞬間は上にも下にも動かないので、タイミングを合わせやすいというのが理由です。腰の高さやパドルの向きを気にせずに打てるので、体験会の後に最初に固める形としても選びやすい打ち方です。
慣れてきたらボレーサーブも試す
一方、ボレーサーブの技術ページでは、ボレーサーブは落ちてくるボールを打つので回転(トップスピン)をかけやすく、体を回しながら打てると説明されています。手から離した直後に打つと窮屈になるので、少し落ちるのを待ってから打つのがコツです。ドロップサーブが安定して入るようになってから、ボレーサーブを練習に加えるとよいでしょう。
| 比べる点 | ドロップサーブ | ボレーサーブ |
|---|---|---|
| ルールの条件 | 腰の高さなどの3条件は問われない | 3条件をすべて守る |
| タイミングの合わせ方 | 弾んだ後のいちばん高い所で打つ | 手から離して少し落ちた所で打つ |
| 向いている人 | サーブを安定させたい人、始めたばかりの人 | 回転や勢いを加えたい人 |
| 気をつける点 | 投げ下ろさず、手から落とすだけにする | 当たる瞬間の腰の高さとパドルの先の向き |
サーブを安定させる5つのステップ
打ち方を1つに決めたら、毎回同じ手順で打つことで安定させます。ここでは USA Pickleball のサーブのコツのページとドロップサーブの技術ページをもとに、流れを5つに分けました。

構えとサーブ前の決まった動き
- 構える: ベースラインの後ろに立ち、打ちたい方向へ体を向けます。足がラインに触れていないかを最初に確かめます
- 決まった動きを入れる: 手でボールを1回弾ませる、パドルで軽くたたくなど、打つ前に毎回同じ動きを入れます。サーブのコツのページでは、この「サーブ前の決まった動き」が落ち着いて打つための土台だと紹介されています
ボールの離し方と振り方
- ボールを離す: ドロップサーブなら、体の前でパドルを持つ側に、打ちやすい高さからそっと落とします。ドロップサーブの技術ページでは、できるだけ高い位置から落とすと弾みも高くなって打ちやすいこと、パドルを後ろに引き終わってからボールを落とすと前へ振ることだけに集中できることが紹介されています。ボレーサーブなら、低くなりすぎないよう少し持ち上げてから離します
- 肩から振る: 手首をこねたり肘を曲げたりせず、肩を支点にした振り子のように振ります
最後まで振り切る
- 振り切る: 当たった後もパドルを止めず、利き手と反対の肩の上まで振り抜きます。ドロップサーブの技術ページでは、振り終わりに利き手でないほうの手でパドルを受け止めると、最後まで振り切る形が自然に身につくという練習法が紹介されています。当たった直後で止めようとすると、打つ前からスイングが減速してしまうためです
深く入れるための狙い方
入るようになったら、次は深さです。サーブのコツのページでは、深いサーブが基本的にいちばん効果的で、相手のバックハンド側を狙うと相手をベースラインの後ろに下げ、返球を弱くしやすいと説明されています。

ベースラインの2〜3フィート内側を狙う
同じページでは、安全のためにベースラインの2〜3フィート(約60〜90cm)内側を狙うようすすめています。ラインぎりぎりを狙うとアウトが増えるので、少し内側に目印を置くつもりで打つと、深さと確実さの両方を取りやすくなります。
入るようになってから変化をつける
安定して入るようになったら、速さ・回転・コースを変えていきます。ボレーサーブの技術ページでは、高く弧を描く回転のサーブ、低く速いサーブ、横に曲がるサーブを混ぜること、相手のフォアハンド・バックハンド・体の正面に打ち分けることが紹介されています。ただし、サーブのコツのページが強調しているのは「派手さより確実さ」です。外したサーブは相手に点を渡すのと同じなので、変化は入る確率を落とさない範囲で加えます。
屋外では風と日差しも見る
屋外のコートでは、風や太陽の位置でボールの飛び方や見え方が変わります。サーブのコツのページでは、ボールが当たるまでよく見て、条件に合わせて狙う場所を調整するよう書かれています。同じ目印でも、日によって入り方が変わることを前提に、最初の数本で様子を見ます。
| 段階 | 狙う場所 | 目的 |
|---|---|---|
| まず入れる | サービスコートの真ん中あたり | 毎回同じ手順で入る形を固める |
| 深さを出す | ベースラインの2〜3フィート(約60〜90cm)内側 | 相手をベースラインの後ろに下げる |
| 変化をつける | 相手のバックハンド側・体の正面など | 相手に同じリズムで返させない |
サーブが乱れる時のよくある失敗
サーブが急に入らなくなった時は、力の入れ方より手順のどこかが崩れていることがよくあります。次の表で、自分に当てはまるものから直してみてください。

手首と肘だけで打っている
サーブのコツのページでは、手首を返したり肘を曲げたりして打つと安定しないことが指摘されています。腕を1本の棒のようにして、肩から振り子のように振る形に戻します。
振り切る前に止めている
当たった直後にパドルを止めると、打つ前からスイングがゆるみます。振り終わりに反対の手でパドルを受け止める形を、素振りで何度か確かめます。
強く打とうとしている
深さを出したくて力むと、ボールが長くなってアウトが増えます。まず入れる、次に深くする、という順番を守ります。手や肩に痛みがある時は、無理に続けずに休んでください。
| よくある失敗 | 起きやすいこと | 直し方 |
|---|---|---|
| 手首や肘だけで打つ | 方向と深さがばらつく | 肩を支点に振り子のように振る |
| 振り切る前に止める | ボールが浅くなる、ネットにかかる | 反対の肩の上まで振り抜く |
| ドロップサーブで投げ下ろす | 反則になる | 手から落とすだけにする |
| ボレーサーブで打点が高い | 腰より上で打って反則になる | 少し落ちるのを待ってから打つ |
| ラインぎりぎりを狙う | アウトが増える | ベースラインの2〜3フィート内側を狙う |
1人でもできるサーブの練習例
コートを借りた日に、サーブだけを集中して打つ時間を取ると、手順が体に入りやすくなります。
1回の練習の流れ(例)
次の流れは1回の練習の例です。
- 打ち方(ドロップサーブかボレーサーブ)を1つに決め、右と左のサービスコートへ交互に打つ
- 入った本数を数え、手順を崩さずに続けて入る本数を記録する
- 慣れたら、ベースラインの2〜3フィート内側にタオルなど目印を置き、そこを狙う
今の段階を確かめる
USA Pickleball のスキルレベルのページでは、3.0 の段階はサーブの深さ・方向・安定に課題があり、3.5 では安定して入るが深さの調整はまだ限られ、4.0 では深さや速さを変えながら大半を入れられる、と段階ごとに説明されています。今の自分がどこにいるかの目安にすると、次に練習する点が決めやすくなります。仲間と組む練習の流れは「ピックルボール 練習メニュー|人数別の組み方」、サーブの後にネット前で使うショットは「ディンクの打ち方と狙う場所」で紹介しています。競技の全体像を先に知りたい人は「ピックルボールとは?」からどうぞ。
よくある質問
Q. ピックルボールのサーブは上から打ってもいいですか?
A. 上から打つことはできません。ボレーサーブは下向きの弧で腰より下で打ち、ドロップサーブは一度弾ませてから打ちます。
Q. 初心者はドロップサーブとボレーサーブのどちらがいいですか?
A. 迷ったらドロップサーブから始めるのがおすすめです。腰の高さなどの条件が問われず、タイミングも合わせやすい打ち方です。
Q. サーブがネットに触れて入った場合はやり直しですか?
A. やり直しにはなりません。統合前の協会のルールページ(保存版)によると2021年にレットは廃止され、正しいエリアに入ればそのままプレーが続きます。
Q. サーブは何回まで打てますか?
A. 1人1回だけです。テニスのようなセカンドサーブはないので、まず確実に入れることを優先します。
Q. サーブはどこを狙えばいいですか?
A. 入るようになったら、ベースラインの2〜3フィート(約60〜90cm)内側で、相手のバックハンド側を狙うのが基本です。
Q. サーブの打ち方を試合の途中で変えてもいいですか?
A. 統合前の協会のルールページ(保存版)では、ドロップサーブと通常のサーブはゲームの途中で変えてもよいと説明されています。
参考・出典
この記事のサーブの条件と打ち方は、2026年9月29日に各公式ページを開いて確認した内容です。ルールは改定されることがあるので、大会に出る前は公式のルールをご確認ください。
- Pickleball Rules Summary(USA Pickleball)
- 公式ルール|統合前の日本ピックルボール協会のページ(2026年1月9日の保存版)
- Pickleball Serve Tips(USA Pickleball)
- Take Advantage of The Drop Serve(USA Pickleball)
- Benefits of the Volley Serve and Varying Your Serves(USA Pickleball)
- Pickleball Skill Levels(USA Pickleball)
最終更新日: 2026年10月5日
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