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ピックルボール ボレーとリセットの使い分け

ピックルボール ボレーとリセットの使い分け

ピックルボールのボレーとは、ボールが弾む前にノーバウンドで打つショットで、リセットとは、相手の速い攻撃のボールの勢いを殺し、相手のキッチンへ柔らかく落として打ち合いを落ち着かせるショットです。どちらも速い球を受けた時に使いますが、ボレーは押し返すため、リセットはやり直すためのショットです。

結論から言うと、選ぶ基準は「自分と相手の位置」と「ボールの高さ」の2つです。自分がキッチンの線で足を止めていて、ボールがネットより高く来たらボレーで攻めます。自分がトランジションゾーンにいる時や、ボールが自分の足元へ下がってくる時はリセットで相手のキッチンに落とし、その間に前へ進みます。迷ったら「ネットより下なら守る、上なら攻める」で決めます。

この記事の要点

  • ボレーはノーバウンドで打つショット。キッチンの中や線の上ではボレーできません
  • リセットは速い球を柔らかく相手のキッチンへ落とすショット。相手の優位を消し、前に出る時間を作ります
  • 攻めのボレーを選ぶのは、キッチンの線で足が止まっていて、ボールがネットより高い時です
  • トランジションゾーンにいる時、下がってくるボールを受ける時はリセットを選びます
  • リセットは、止まってから、握りを10段階の2〜3にゆるめ、振りかぶらずに体の前で押し出します

対象読者: ディンクの打ち合いまではできるものの、相手の速い球に押されてボールを浮かせ、決められてしまう人。

読了後にできること: 相手の位置とボールの高さを見てボレーかリセットかを選び、2人の練習でその判断を繰り返せます。

ボレーとリセットの違い

まず2つのショットの役割を分けておきます。ボレーは打ち方の種類(ノーバウンドで打つ)、リセットは目的の種類(勢いを殺して落とす)なので、ノーバウンドで打つリセットもあります。

攻めのボレーは相手に圧力をかけて決めにいくショットでネットより高いボールが来た時に相手の足元や空いた場所を狙い、リセットは相手の優位を消して打ち合いを落ち着かせるショットで下がってくるボールを受けた時に相手のキッチンを狙うことを表にした図
攻めのボレーとリセットの違い

ボレーはノーバウンドで打つショット

USA Pickleball のボレーの技術ページでは、ボレーはボールが弾む前に空中で打つショットで、多くはキッチンの線で打たれると説明されています。攻めにも守りにも使い、柔らかいブロックから、押し出すパンチボレーまで種類があります。一方、Pickleball Rules Summaryによると、キッチンの中でボレーすること、ボレーの時にキッチンや線を踏むこと、ボレーの勢いでキッチンに入ることはフォルトです。場面ごとの反則の例は「キッチンのルールと反則の例」にまとめています。

リセットは勢いを殺して落とすショット

USA Pickleball のリセットの解説ページでは、リセットを、強い攻撃のボールを力で打ち返すのではなく、相手のキッチンへ柔らかく落として相手の優位を消し、前に進む時間を作るショットだとしています。押されている時の「守りのやり直しボタン」という例えも使われています。

項目 攻めのボレー リセット
目的 相手に圧力をかけ、決めにいく 相手の優位を消し、打ち合いを落ち着かせる
打つ場面 ネットより高いボールが来た時 押されている時・下がってくるボールを受けた時
振り 小さく押し出す 振りかぶらず、短く押し出す
狙う場所 相手の足元や空いた場所 相手のキッチン
打った後 次の返球に備えてパドルを上げる 前へ進み、キッチンの線に戻る

相手の位置で選ぶ基準

どちらを選ぶかは、まず自分と相手がどこにいるかで決まります。前に出る順番そのものは「ダブルス戦術の基本と約束事」で紹介しています。

キッチンの線で足が止まっていてネットより高く浮いたボールが来たらボレーで攻め、トランジションゾーンにいる時や動いている途中、足元へ下がってくる球はリセットを選ぶことを左右に分けた図
位置と来たボールで選ぶショット

自分と相手がキッチンの線にいる時

USA Pickleball のスピードアップのページでは、柔らかい打ち合いから強く打つスピードアップは、キッチンの線で足が止まっている時だけにするようすすめています。動きながら打つと難しいうえ、打ち返された時に位置が崩れているからです。同じページでは、相手がコートに空いた場所を残している時も好機として挙げています。つまり、キッチンの線同士の打ち合いでは、足が止まっていて、ボールが攻めてよい高さの時だけボレーで攻め、それ以外は低いボールで返します。ディンクで粘る場面は「ディンクの打ち方と狙う場所」の「攻めに切り替える合図」の続きとして読めます。

自分がトランジションゾーンにいる時

ベースラインとキッチンの線の間は、トランジションエリアのページで、キッチンの1〜2フィート(約30〜60cm)後ろからベースラインの1〜2フィート前までの範囲とされ、足元へ打ち込まれやすい場所だと説明されています。リセットの解説ページでは、ここで押された時にリセットで相手のキッチンへ落とせたら、前へ進んでキッチンの線を取り戻すよう書かれています。この位置から攻め返すより、まずリセットを選びます。

相手が後ろにいる時

相手の1人がまだベースライン近くにいる時は、相手を後ろにとどめておくほうが有利です。USA Pickleball のダブルス戦術のページでは、深いボールで相手をベースラインにとどめるようすすめています。スキルレベルのページでも、5.0 の段階の説明に「相手の足元へ安定してボレーできる」ことが挙がっています。浮いたボールが来たら、ボレーで深く、または足元へ返します。

自分の位置 相手の位置 来たボール 選ぶショット
キッチンの線(足が止まっている) 2人ともキッチンの線 ネットより高く浮いた ボレーで攻める
キッチンの線(足が止まっている) 2人ともキッチンの線 体へ向かう速い球 ブロックかパンチボレーで返す
キッチンの線 1人がベースライン近く 浮いたボール ボレーで深く・足元へ
トランジションゾーン どこでも 足元へ下がってくる球 リセット
動いている途中 どこでも 速い球 止まってからリセット

ボールの高さと相手のパドルで見分ける

位置の次に見るのは、ボールの高さです。速い打ち合いでは考える時間がないので、目で見てすぐ決められる基準を持っておきます。

自分に向かって下がってくるボールはリセット、肩かそれより高く上がってくるボールは攻める、相手のパドルが上がったらブロックかリセットに備え、相手のパドルがネットより下なら攻め返しに備えることを並べた図
ボールの高さと相手のパドルの見分け方

下がってくるボールはリセット、上がってくるボールは攻める

リセットの解説ページでは、判断の基準を1つにまとめています。自分に向かって下がってくるボールはリセットし、肩かそれより高く上がってくるボールは攻める、というものです。ネットより下から攻めようとするとボールが浮き、相手に決められやすくなるからです。スピードアップのページでも、ネットより高く上がったボールがいちばんの好機で、ネットの半分ほどの高さまでしか上がらないボールは攻めないほうがよいとしています。

相手のパドルの高さを見る

USA Pickleball のリセットの上級者向けページでは、相手のパドルを見て構えを変える「シーソー」の考え方が紹介されています。相手のパドルが上がったら打ち下ろしてくる合図なので、自分のパドルを下げてブロックかリセットに備えます。相手のパドルがネットより下なら、相手は打ち上げるしかないので、自分のパドルを上げて攻め返しに備えます。

相手のパドル 相手が打ってくる球 自分のパドル 備えるショット
高く上がっている 打ち下ろす攻めの球 下げる ブロック・リセット
ネットより下 打ち上げる球 上げる 攻め返すボレー

リセットの打ち方

リセットは、速い球を受けた時に体が固くなると失敗しやすいショットです。USA Pickleball のリセットの基本のページとリセットの解説ページから、打ち方の要点をまとめます。

リセットの打ち方を、打つ前に止まる、低く構えてから打つ、握りをゆるめ振りかぶらない、体の前で押し出すの順に並べ、握りは10段階の2〜3、浮かせたら大きく一歩下がることを添えた図
リセットの打ち方の流れ

打つ前に止まる

リセットの解説ページでは、打つ前に動きを止めることを最初の要点にしています。走りながら打つとボールが浮きやすいからです。スプリットステップのページでも、前へ進む勢いをスプリットステップで止め、広く安定した構えを作ることが、よいリセットに欠かせないとしています。リセットの基本のページでは、両足を肩幅より少し広く開き、体重を左右に均等にかけ、低く構えてから打つよう書かれています。

握りをゆるめ、振りかぶらない

同じページでは、パドルを思い切り握る強さを10とした時、リセットでは2〜3くらいにゆるめるよう説明されています。パドルがボールの勢いを吸い取ってくれるからです。解説ページでは、振りかぶりはいらず、体の前でボールをとらえて短く押し出すこと、パドルを体の前に置いておくことが挙げられています。攻められると握りが固くなりやすいので、構えた時にもう一度ゆるめます。

浮かせたら大きく一歩下がる

上級者向けのページでは、ボールを浮かせてしまった直後に大きく一歩下がる動きが紹介されています。下がると反応する時間ができ、ネットとの距離が空くので、次のボールをリセットで柔らかく落としやすくなります。下がったら重心を下げ、ひざを曲げて、体重をパドルの後ろにのせます。

ボレーの打ち方

攻めのボレーも、ブロックして返すボレーも、振りを小さくすることが共通の基本です。USA Pickleball のバックハンドのパンチボレーのページをもとにまとめます。

ボレーの打ち方として、構えはパドルはネットより高く体の前に、パンチボレーは押し出して方向を変える、ボレーの後はキッチンに入らないことを並べ、振りを小さくすることが共通の基本だと添えた図
ボレーの構えと振りの基本

パドルはネットより高く、体の前に

同じページでは、パドルをネットより高く体の前に構え、ひじも体の前に置いておくよう説明されています。キッチンの線同士では相手との距離が14フィート(約4.3m)しかなく、パドルが下がっていると持ち上げる時間の分だけ遅れるからです。よいショットを打った後も、攻められる前提で構え直します。

パンチボレーは押し出して方向を変える

パンチボレーは、殴るように短く押し出すボレーです。パドルの面を平らにして相手コートへまっすぐ向け、ひじを少し曲げた状態から、狙う方向へパドルを伸ばし、腕が伸びきるところまで押し出します。自分から大きく振るのではなく、相手の球の勢いを使って方向を変えるショットだとされています。スキルレベルのページでは、4.0 の段階で「ブロックして落とすボレー(リセットのボレー)を理解し始める」、4.5 の段階で「体へ向かう強いボレーをブロックし、安定してキッチンに落とせる」とあり、ブロックとリセットを組み合わせる技術として扱われています。

ボレーの後はキッチンに入らない

ボレーで前へ体重をかけすぎると、打った勢いでキッチンに入ってフォルトになります。キッチンの線の少し後ろで構え、押し出した後は足を止めて次の球に備えます。

よくある失敗と2人での練習の例

最後に、速い球に押された時によくある失敗と、2人でできる練習の例をまとめます。練習の時間は例なので、コートの予約時間に合わせて調整してください。3人・4人での組み方は「ピックルボール 練習メニュー|人数別の組み方」を参考にしてください。

よくある失敗

  • ネットより低いボールを強く打ち返す: ボールが浮き、相手に決められます。下がってくるボールはリセットを選びます
  • 走りながらリセットする: ボールが浮きやすくなります。相手が打つ瞬間にスプリットステップで止まります
  • 攻められて握りが固くなる: ボールがはね返りすぎます。構えた時に握りを2〜3に戻します
  • パドルを下げて待つ: 速い球に遅れます。パドルはネットより高く、体の前に置きます
  • トランジションゾーンで攻め返す: 足元を狙われ続けます。リセットで落としてから前へ進みます

2人でできる練習の例

  1. ブロックの練習(例: 5分): 1人がキッチンの線、もう1人がトランジションゾーンに立ちます。キッチンの線の人が体へ向けて中くらいの速さで打ち、もう1人は止まって相手のキッチンへ落とします
  2. 動いてから止まる練習(例: 5分): ベースラインから前へ進み、相手が打つ瞬間にスプリットステップで止まってリセットします
  3. 高さで選ぶ練習(例: 5分): 打つ側が高い球と低い球を混ぜ、受ける側は高い球だけボレーで攻め、低い球はリセットします
  4. 役を交代する(例: 5分): 打つ側と受ける側を入れ替えて、1から3を繰り返します

3球目で前へ進む流れと合わせて練習したい人は「サードショットドロップの打ち方と使い分け」もどうぞ。競技の全体像は「ピックルボールとは?」で紹介しています。痛みがある時は無理をせず、練習を止めてください。

よくある質問

Q. ボレーとリセットは何が違いますか?

A. ボレーは弾む前にノーバウンドで打つショットの種類で、リセットは速い球の勢いを殺して相手のキッチンに落とすショットの目的です。ノーバウンドで打つリセットもあります。

Q. ボレーで攻めるのはどんな時ですか?

A. キッチンの線で足が止まっていて、ボールがネットより高く来た時です。動いている途中や、ネットより低いボールは攻めずに返します。

Q. トランジションゾーンで速い球が来たらどうすればいいですか?

A. 止まってからリセットで相手のキッチンに落とします。落とせたら前へ進み、キッチンの線を取り戻します。

Q. リセットの時の握りはどのくらいの強さですか?

A. USA Pickleball のリセットの基本のページでは、思い切り握る強さを10とした時の2〜3くらいが目安とされています。

Q. ボレーの後にキッチンに入ってしまったらどうなりますか?

A. ルール要約では、ボレーの後に勢いでキッチンに入るとフォルトになるとされています。ボールが先に決まっていても同じです。

Q. 相手が強く打ってくるかどうかは、どこを見ればわかりますか?

A. 相手のパドルの高さを見ます。パドルが上がれば打ち下ろしてくる合図なので、自分のパドルを下げてブロックかリセットに備えます。

参考・出典

この記事のボレーとキッチンのルール、ボレーとリセットの打ち方は、2026年9月29日に各公式ページを開いて確認した内容です。ルールや技術ページの内容は更新されることがあるので、大会に出る前は公式のページをご確認ください。

最終更新日: 2026年10月3日

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