ピックルボールのシングルスとは、1 対 1 で行う試合の形です。コートはダブルスと同じ幅 20 フィート(6.10m)×長さ 44 フィート(13.41m)で、その全体を 1 人で受け持ちます(2026年版ルールブック第 3.A.1 条)。
結論から言うと、ルールの上でダブルスと違うのは「サーブの位置がサーバーの得点で決まる(0 か偶数なら右、奇数なら左)」「スコアコールは 2 つの数字」「サーブするのは 1 人で、ラリーを落とせばすぐサイドアウト」の 3 点です。戦い方は、USA Pickleball の技術ページが挙げる「深いサーブ」「真ん中(T)へのサーブ」「相手の動きと逆へ」「自分から無理に決めにいかない」を軸にすると組み立てやすくなります。
この記事の要点
- コートはダブルスと同じ広さで、シングルス用の線はありません(第 3.A.1 条)
- サーバーの得点が 0 か偶数なら右、奇数なら左からサーブします。レシーバーの位置もサーバーの得点で決まります(第 5.A・5.A.1 条)
- スコアコールは「サーバーの得点、レシーバーの得点」の 2 つの数字で、各ゲームの最初は「0-0」です(第 6.B.1 条)
- 技術ページは、深いサーブ、T へのサーブ、相手の動きと逆へ打つこと、相手のミスを待つことを挙げています
- 半面だけを使うミニシングルス(第 14.B 条)では、2 人の位置がそれぞれ自分の得点で決まります
対象読者: 2 人そろわない日に 1 対 1 で打ちたい人。大会のシングルスに出ようか迷っている人。ダブルスのルールは分かるけれど、シングルスの立ち位置とコールがあいまいな人。
読了後にできること: サーブの位置とスコアコールを条文番号つきで確かめ、1 人でコートを守る時の配球の考え方と、ミニシングルスの決まりを説明できます。
シングルスで使うコートと共通の決まり
ルールブックの第 1 節は、ピックルボールはシングルスでもダブルスでもできると書き、標準の得点方法を「サーブ側がラリーに勝った時だけ点が入る」「ふつうは 11 点を先に取り、2 点差以上で勝ち」と説明しています。シングルスで変わるのはコートではなく、サーブの位置とコールです。競技の全体像は「ピックルボールとは?」をどうぞ。

線はダブルスと同じ
2026年版の公式ルールブックの第 3.A.1 条では、コートはシングルスでもダブルスでも同じ 20×44 フィートの長方形とされています。統合前のサイトに残る連盟の設計基準と仕様のページにも、テニスとは異なり、シングルスとダブルスの両方で同じコートサイズを使うと書かれています。外に出たかどうかは、ダブルスと同じ線で見ます。寸法は「コートサイズと各ラインの寸法」にまとめています。
ツーバウンドルールとキッチンも同じ
第 10.A 条のツーバウンドルール(サーブとリターンはそれぞれ弾ませてから打つ)と、第 11.A 条のキッチンの決まり(ボレーはキッチンの外から始める)は、シングルスとダブルスを分けていません。大会の種目を決める第 15.A 条では、男子と女子にシングルスとダブルスがあり、ミックスはダブルスだけです。
| 決まり | シングルスでの扱い | 条文 |
|---|---|---|
| コートの広さ | ダブルスと同じ 20×44 フィート | 3.A.1 |
| ツーバウンドルール | ダブルスと同じ。サーブとリターンは弾ませてから打つ | 10.A |
| キッチン | ダブルスと同じ。ボレーはキッチンの外から始める | 11.A |
| サーブの位置 | サーバーの得点で左右が決まる | 5.A.1 |
| スコアコール | 2 つの数字 | 6.B.1 |
| 大会のタイムアウト | 1 人ごとに、11 点と 15 点のゲームは 2 回、21 点のゲームは 3 回 | 21.A |
立つ側を決めるのはサーバーの得点(第5.A条)
第 5.A 条では、シングルスのサーバーとレシーバーの正しい位置は、サーバーの得点で決まるとされています。ダブルスのように「何人目のサーバーか」を数える必要はありません。

0か偶数なら右、奇数なら左
第 5.A.1 条では、サーバーの得点が 0 か偶数の時は右のサービングエリアからサーブし、相手の右のサービスコートで受けます。奇数の時は左から打ち、相手の左で受けます。統合前の協会のルールページ(保存版)も、シングルスは自分のスコアが 0 と偶数の時は右サイド、奇数の時は左サイドからサーブすると説明しています。第 7.E 条では、サーブは自分の正しい位置から対角のサービスコートへ入れ、相手のキッチンを越える必要があります。足の位置や打ち方の条件は「サーブのルールと打つ順番」に任せます。
レシーバーは自分の点で立たない
間違えやすいのはレシーバーの側です。レシーバーが立つ側は、自分の点ではなくサーバーの点で決まります。サーバーが 3 点なら、サーバーは左から打ち、レシーバーは自分の左のサービスコートで受けます。下の表は、ゲームの始まりからサイドアウトまでを追った例です。
| 場面 | コール | サーバーが立つ側 | レシーバーが受ける側 |
|---|---|---|---|
| ゲームの最初 | 0-0 | 右 | 右 |
| サーバーが 1 点取った | 1-0 | 左 | 左 |
| もう 1 点取った | 2-0 | 右 | 右 |
| サーバーがラリーを落とし、相手のサーブになった | 0-2 | 右 | 右 |
| 新しいサーバーが 1 点取った | 1-2 | 左 | 左 |
打ち続ける間と、迷った時
第 5.A.2 条では、サーバーはラリーを落とすまで、点を取るたびに左右を入れ替えながら打ち続けます。第 5.A.3 条で、ラリーを落とすとサイドアウトです。第 5.C 条では、サーブの前なら、正しいサーバーやレシーバーか、位置が正しいかを相手に尋ねることができ、相手は答えなければなりません。位置の誤りにラリーが終わってから気づいた時は、そのラリーの結果は有効です(第 5.C.2 条)。
スコアコールは2つの数字(第6.B.1条)
第 6.B.1 条では、シングルスのスコアは「サーバーの得点、レシーバーの得点」の順に 2 つの数字でコールし、各ゲームの最初は「0-0(ゼロ・ゼロ)」とされています。ダブルスの 3 つ目の数字(サーバーの番号)はありません。

最初の数字で立つ側が分かる
第 6.B 条では、スコアは通常サーバーがコールします。最初に読む自分の点が 0 か偶数なら右、奇数なら左なので、コールしながら立つ側を確かめられます。ダブルスのコールは第 6.B.2 条で 3 つの数字、最初は「0-0-2」です。暫定ルールのラリー方式では、第 14.A.3 条でダブルスも 2 つの数字でコールするとされています。数え方の全体は「得点の数え方とスコアコール」で追えます。
コールを間違えた時
第 6.E.1 条では、サーブの前なら相手に正しいスコアを尋ねることができます。第 6.F 条では、リターンが打たれる前で、ボールが死ぬ前なら、ラリーを止めてスコアの訂正を求められます。誤ったコールを止めたならやり直し(第 6.F.1 条)、正しいコールを止めたら止めた人のフォルト(第 6.F.2 条)、リターンの後に止めた場合も止めた人のフォルト(第 6.F.3 条)です。ラリーが終わってから誤りに気づいた時は、結果はそのままで、次のサーブの前にスコアを直します(第 6.F.4 条)。
1人でコート全体を守る配球
USA Pickleball のシングルスの戦術ページ(2025年9月23日掲載)は、シングルスを自分と相手の 1 対 1 で、コート全体を守り、すべてのショットを自分で打つ形と説明しています。ダブルスより身体能力と忍耐、戦術の意識が求められる、とも書かれています。

ページが挙げる6つのコツ
同じページのコツは次の 6 つです。このうち 3 と 5 は「キッチン前の立ち位置と動き方」で紹介したので、ここでは残りの 4 つを場面ごとに見ます。
- 毎回、深くサーブする
- 真ん中(T)に向けてサーブする
- 深くリターンしてラリーを組み立てる
- 相手の勢いと逆へ打つ
- 打った球を追って前へ進む
- 相手にミスをさせる
深いサーブと、Tへのサーブ
1 つ目では、深いサーブを大事な武器の 1 つとし、相手をベースラインの後ろへ下げてリターンを難しくすると説明しています。いつも深くを狙いながら、ミスの余裕は残します。サーブのミスは相手にただで点を渡すことになるからです。2 つ目の「T」は、センターライン寄りの真ん中のことです。ここへ打つと相手が使える角度が減り、リターンに対して自分が動く距離も短くなるとされています。時々打ち分けながら、T へのサーブを基本にするよう書かれています。打ち方は「サーブの打ち方と安定させるコツ」をどうぞ。
相手の動きと逆へ、無理に決めにいかない
4 つ目では、位置取りは空いた場所だけでなく相手の勢いも関わるとしています。相手が動いている方向を見て、その逆へ送ります。空いた場所へ走るより、止まって向きを変えるほうが難しいことが多いからです。6 つ目では、シングルスは強く打ちすぎて、無いエースを狙いがちだと書かれています。安定したショットで圧力をかけ、自分がミスの危険を負うより相手にミスをさせるほうがよいことが多い、という考え方です。
ミニシングルス(第14.B条)で半面を使う
第 1 節は、ミニシングルスを標準のシングルスを半面で行う変わり形と紹介しています。第 14.B 条では、ここに書かれた変更を除き、標準のシングルスのルールがそのまま当てはまります。

使う半面と追加の線
第 14.B.1 条で、ミニシングルスは標準のコートで行います。第 14.B.1.a 条では、各ラリーで使うのはそれぞれの選手の側の右か左の半分だけで、どちらを使うかはそれぞれの得点で決まります。第 14.B.1.b 条で、使う半面の境界はベースライン、その側のサイドライン、センターラインで、反対側の半面はアウトです。第 14.B.1.c 条では、センターラインをキッチンの中まで延ばした線を追加で用意しなければならず、その線の色はほかの線と同じでなくてよいとされています。
位置は2人それぞれの得点で決まる
第 14.B.2 条では、サーバーとレシーバーの位置はそれぞれ自分の得点で決まります(第 5.A 条を変える規定)。第 14.B.3 条で、サーブもリターンも、相手側の使っている半面に入れます。第 7.E 条にも、ミニシングルスのサーブの入れ先は第 14.B.3 条を見るよう注記があります。下の表は、これらの条文を組み合わせて編集部が整理したものです。
| サーバーの得点 | レシーバーの得点 | サーバーが立つ側 | レシーバーが受ける側 |
|---|---|---|---|
| 0 か偶数 | 0 か偶数 | 右 | 右(対角) |
| 0 か偶数 | 奇数 | 右 | 左(ネットを挟んで正面) |
| 奇数 | 0 か偶数 | 左 | 右(ネットを挟んで正面) |
| 奇数 | 奇数 | 左 | 左(対角) |
シングルスの試合に出る前に確かめること
大会のシングルスに出るなら、ゲームの形式、エンドの交代、タイムアウトの回数を確かめておくと当日に迷いません。ここで挙げるのは USA Pickleball のルールブックの決まりで、国内の大会では要項が優先します。
ゲームの形式とエンドの交代
第 15.C.1 条では、大会の標準の形式は「11 点の 3 ゲーム中 2 ゲーム先取」「11 点の 5 ゲーム中 3 ゲーム先取」「15 点か 21 点の 1 ゲーム」などで、2 点差をつけて勝つ決まりです(団体戦だけは 1 点差も認められています)。第 21.B.1 条では、1 ゲームの試合や最終ゲームが 11 点の時は、どちらかが先に 6 点に達したところでエンドを替え(15 点なら 8 点、21 点なら 11 点)、第 21.B.4 条で交代の後も同じサーバーで続けます。第 21.F.2 条では、ゲームとゲームの間に、シングルスの選手はエンドと最初のサーブを入れ替えます。
タイムアウトと最初のサーブの決め方
第 21.A 条では、タイムアウトはシングルスの選手 1 人ごとに、11 点と 15 点のゲームで 2 回、21 点のゲームで 3 回取れ、1 回は 1 分までです(第 21.A.5 条)。第 17.C.4 条では、審判が公平な方法(スコアシートの裏に書いた数字を選ぶ、コイントスなど)で、どちらが先にサーブかレシーブかエンドを選べるかを決めます。国内の大会の探し方は「大会の種類と探し方」、日程は「大会の日程一覧」で確かめてください。
よくある質問
Q. シングルスのコートはダブルスより狭いですか?
A. 狭くありません。第 3.A.1 条で、シングルスもダブルスも 20×44 フィート(6.10m×13.41m)の同じコートとされています。
Q. レシーバーはどちらの側で受けますか?
A. サーバーの得点で決まります。サーバーが 0 か偶数なら自分の右、奇数なら自分の左のサービスコートで受けます(第 5.A.1 条)。
Q. シングルスのスコアコールに3つ目の数字はありますか?
A. ありません。第 6.B.1 条で、サーバーの得点とレシーバーの得点の 2 つの数字とされ、各ゲームの最初は「0-0」です。
Q. シングルスのサーブはどこを狙えばよいですか?
A. USA Pickleball の技術ページは、深いサーブと、センターライン寄りの T へのサーブを挙げています。ミスで点を渡さない余裕を残すようにも書かれています。
Q. ミニシングルスとは何ですか?
A. 標準のコートの半面だけを使うシングルスです。使う半面は各自の得点で決まり、サーブもリターンも相手の使う半面に入れます(第 14.B 条)。
Q. 大会のシングルスでタイムアウトは何回取れますか?
A. 第 21.A 条では、11 点と 15 点のゲームは 1 人 2 回、21 点のゲームは 3 回で、1 回 1 分までです。国内の大会は要項も確かめてください。
参考・出典
この記事のシングルスの規則と戦い方の説明は、2026年10月1日に USA Pickleball の2026年版ルールブックとルールのページ、シングルスの戦術ページ、統合前の協会の公式ルールのページ(保存版)と連盟側の設計基準のページを開いて確認した内容です。ルールブックは毎年改定されることがあり、国内の大会は要項で形式が決まるので、出場する前は各公式ページと要項をご確認ください。原文は転載せず、条文番号つきで要点をまとめています。
- 2026 USA Pickleball Official Rulebook(PDF)
- Official USA Pickleball Rulebook(USA Pickleball のルールのページ)
- Top 6 Pickleball Singles Strategy Tips to Win More Matches(USA Pickleball)
- 公式ルール|統合前の日本ピックルボール協会のページ(2026年1月9日の保存版)
- ピックルボールの設計基準と仕様(統合前のサイトに残る連盟のページ)
最終更新日: 2026年10月7日
当サイトはピックルボールの非公式ファンメディアです。特定の団体・大会・施設・メーカーとは関係がなく、各名称はそれぞれの権利者に帰属します。