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ピックルボール リターンの狙いと前への詰め方

ピックルボール リターンの狙いと前への詰め方

ピックルボールのリターンとは、サーブを受ける人がラリーの2球目として、1回弾んだサーブを相手コートへ返すショットです。点を取るための1球というより、相手を後ろに残したまま、自分たちが先にキッチン(ノンボレーゾーン)の線まで前に出るための1球です。

結論から言うと、リターンは「深く・真ん中寄りに返して、打ったらすぐ前へ」が基本です。ベースラインのぎりぎりをねらわず、2〜3フィート(約60〜90cm)内側を目安に深く返し、打った瞬間からキッチンの線へ進みます。前に出る時間が足りない時は、少し山なりのリターンで時間をつくります。

この記事の要点

  • ツーバウンドルールのため、リターン側は2球目を打った後すぐ前に出られ、サーブ側は3球目まで後ろに残ります
  • 受ける人はベースラインの2〜3フィート後ろで構え、パートナーは最初からキッチンの線に立ちます
  • リターンは小さく引いて、ベースラインの2〜3フィート内側へ、真ん中やや相手のバックハンド寄りに返します
  • 打ったらすぐ前へ。相手が打つ直前には小さく跳んで構え直し、パートナーとの間を空けずに進みます
  • 間に合わない時は、山なりのリターンで時間をつくります(風の強い日は気をつけます)

対象読者: サーブを受けると2球目が浅くなり、相手に前へ出られて自分たちは後ろで打ち合う形になりやすい人。

読了後にできること: リターンの立ち位置とねらう場所を決め、打った後にキッチンの線まで詰める動きを練習できます。

リターン側が先に前へ出られる理由

リターンの考え方は、ルールから決まります。先にルールで許されている範囲を確かめ、そのうえで2球目の役割を見ていきます。

ツーバウンドルールでサーブは1回弾ませてから返し、サーブ側は3球目まで後ろに残り、リターン側は打った直後から前に出られることを順に示した図
リターン側が先に前へ出られる理由

ツーバウンドルールでサーブ側は後ろに残る

USA Pickleball のルール要約(Pickleball Rules Summary)では、サーブを受ける側はサーブを1回弾ませてから返し、サーブ側もそのリターンを1回弾ませてから打つ、とされています。これがツーバウンドルールで、要約ではサーブを打ってすぐ前に出てボレーする有利さをなくし、ラリーを長くするためのルールだと説明されています。

このルールのため、サーブ側はリターンが弾むのを待つ間、ベースライン付近から動けません。一方、リターンを打った側は、2球目を打った後はもう弾むのを待つ必要がないので、すぐ前に出られます。USA Pickleball のリターンのコツのページでは、リターン側はラリーを始めた時点で「すでにキッチンの線まで半分近い所にいる」有利さがあると書かれています。

リターン側でフォルトになる場面

リターンの前後で、受ける側がフォルトになる場面も2026年版の公式ルールブックで確かめておきます。第10節では、受ける人がサーブを弾ませずに打つと受ける側のフォルトとされています。第7節では、サーブが弾む前に受ける人やパートナー、その持ち物に当たった場合も受ける側のフォルトです。第5節では、正しい位置に立っていたのに、受けるはずでない人がリターンを打つと、その人のフォルトになるとされています。

ルールで決まっていること リターン側にとっての意味
サーブは1回弾ませてから返す サーブはノーバウンドで触らず、弾むのを待つ
リターンも1回弾ませてから打つ(サーブ側) サーブ側は3球目まで後ろに残る
2球目の後は、弾ませずに打ってもよい リターン側は打った直後から前に出られる
受ける人は決まっている 立ち位置とスコアで、受ける人を先に確かめる

だれが受けるかは、スコアと立ち位置で決まります。立ち位置の決まりは「得点の数え方とスコアコールの読み上げ順」で1点ずつ追っています。

リターンを受ける前の構え

リターンの出来は、打つ前の立ち位置でかなり決まります。受ける人とパートナーでは、最初に立つ場所が違います。

受ける人はベースラインの2〜3フィート後ろに立ち弾んだサーブを見て足を動かし、受ける人のパートナーはキッチンの線でネット前で構えて待つことを比べた図
リターンを受ける前の立ち位置

受ける人はベースラインの2〜3フィート後ろ

リターンのコツのページでは、受ける人はベースラインの2〜3フィート(約60〜90cm)後ろに立つようすすめています。後ろに立っておくと、弾んだサーブを見て動く時間ができ、打つ準備を整えやすくなります。

パートナーは最初からキッチンの線に立つ

同じページと、USA Pickleball の立ち位置の基本のページでは、受ける人のパートナーは最初からキッチンの線に立っておく形が紹介されています。受けない人はサーブを返さないので、ベースラインで待つ必要がありません。先に前へ出ておくと、リターンを打った人が追いつくまでの間、ネット前で相手に圧力をかけられます。

アウトになりそうなサーブは見送る

ルール要約では、サーブがキッチンの線に触れた場合は「ショート」でフォルトとされています。ルールブック第8節でも、サーブは正しいサービスコートに落ちなければアウトです。USA Pickleball の7つの基本のページでも、アウトになるボールを見送ることを基本の1つに挙げています。長いサーブや横にそれたサーブを無理に打たないことも、受ける側の大事な判断です。

比べる点 受ける人 受ける人のパートナー
最初に立つ場所 ベースラインの2〜3フィート後ろ キッチンの線
リターンの前にやること 弾んだサーブを見て足を動かす ネット前で構えて待つ
リターンの後にやること すぐ前に出てキッチンの線へ そのまま構え、相手の3球目に備える

深く返すリターンの打ち方

リターンは強く打つより、深く確実に返すことが先です。リターンのコツのページが挙げている打ち方と、ねらう場所をまとめます。

リターンは深く真ん中寄りに返してどちらが取るか迷わせ、相手のバックハンド寄りで3球目を打ちにくくし、ベースラインそのものはねらわないことを示した図
深く返すリターンのねらい

小さく引いて、ボールを最後まで見る

リターンのコツのページでは、後ろへの引きを小さくしたコンパクトな振りのほうが、ボールを思った所へ運びやすくミスも減るとしています。ボールはパドルに当たるまで見続けます。7つの基本のページでも、ボールを最後まで見ることと、体の前でとらえることが基本として挙げられています。

多くの人はフォアハンドで返したいものですが、同じページでは無理にフォアで打とうとしないよう書かれています。バックハンド側に来たら、まず足を動かし、間に合わなければそのままバックハンドで返します。体を伸ばして届かせるより、落ち着いて返すほうがミスを減らせます。

ねらいはベースラインの2〜3フィート内側

リターンは深いほど、サーブ側を後ろに残せます。ただ、リターンのコツのページでは、ベースラインそのものをねらうとボールが長くなってアウトになりやすいので、2〜3フィート(約60〜90cm)内側をねらうようすすめています。

真ん中やや相手のバックハンド寄りへ

同じページでは、基本のリターンは深く、真ん中を通すボールで、少し相手のバックハンド寄りがよいとされています。真ん中へのリターンは、相手2人にどちらが取るかを迷わせ、3球目で角度をつけて攻められにくくします。相手のどちらかが3球目やバックハンドを苦手にしているなら、そちらへ集めるのも1つの手です。

返す場所 ねらい 気をつける点
深く、真ん中寄り 相手を後ろに残し、どちらが取るか迷わせる ベースラインそのものはねらわない
相手のバックハンド寄り 3球目を打ちにくくする 真ん中から外れすぎると角度をつけられる
相手の苦手な人へ 3球目のミスを誘う 同じ所ばかりだと慣れられる
山なりで深く 前に出る時間をつくる 風の強い日は流されやすい

打った後にキッチンの線まで詰める

リターンは、打った後の動きまでがひとつながりです。USA Pickleball のリターンアンドランのページでは、返したらすぐ前に出る「リターンアンドラン」を、初めのうちに覚えたい考え方として紹介しています。自分たちがキッチンの線にそろい、相手がベースラインに残っていれば、ラリーで有利に立てるからです。

打ったらすぐ前へ動き、ボールの飛ぶ向きに合わせて進み、相手が3球目を打つ直前にスプリットステップで構え直し、キッチンの線にそろうまでの流れを示した図
打った後にキッチンの線まで詰める

打ったらすぐ前へ

リターンのコツのページでも、リターンを打ったらすぐ前に動き出すようにと書かれています。打った後にその場でボールの行方を見てしまうと、前に出る時間がなくなります。

相手が打つ直前に小さく跳んで構え直す

立ち位置の基本のページでは、ベースラインとキッチンの線の間を「トランジションゾーン」と呼び、足元をねらわれやすいので長くとどまらない場所だと説明しています。前へ進む時は、ボールの飛ぶ向きに合わせて動き、相手が打つ直前に小さく跳ぶ「スプリットステップ」でバランスを戻すようすすめています。

パートナーとの間を空けない

同じページでは、パートナーとの間はおよそ6〜8フィート(約1.8〜2.4m)を保ち、コートにすき間をつくらないようにとされています。リターンを打った人が前に出る間、パートナーは先にキッチンの線で構えているので、横の間隔を合わせながら並びます。

  1. ベースラインの2〜3フィート後ろで構え、弾んだサーブを見て足を動かす
  2. 小さく引いて、ベースラインの2〜3フィート内側へ、真ん中寄りに深く返す
  3. 打ったらすぐ前へ動き出し、ボールの飛ぶ向きに合わせて進む
  4. 相手が3球目を打つ直前にスプリットステップで構え直す
  5. パートナーと間を空けずにキッチンの線にそろう

キッチンの線に着いてからのネット前の打ち合いは「ディンクの打ち方と狙う場所」、相手側から見た3球目は「サードショットドロップの打ち方と使い分け」で説明しています。

前に出られない時の考え方

深く返せなかった時や、サーブが深くて体勢が崩れた時は、キッチンの線まで一気に出られないこともあります。そんな時の考え方をまとめます。

体勢に余裕があれば深く真ん中寄りへ、前に出る時間が足りなければ弧を大きくした山なりで深く、途中で間に合わなければ低く返すことを優先するという選び方を示した図
前に出られない時の選び方

山なりのリターンで時間をつくる

リターンのコツのページでは、キッチンの線まで出るのが間に合わない時は、ロブのリターンや、弧を大きくしたリターンで時間を稼ぐ方法が紹介されています。ボールが相手に届くまでの時間が長くなるので、その間に前へ進めます。ただし同じページは、風の強い日はロブが流されやすく危険があるとも書いています。

低いボールで相手の攻めを抑える

リターンアンドランのページでは、どこにいてもボールを低く保つことが、ラリーを自分たちのものにする基本だとしています。低いボールを相手が強く打つとネットにかかりやすく、強く高く打つとアウトになりやすく、柔らかく高く返すと反撃しやすくなるからです。トランジションゾーンで止まった時も、低く返せていれば、次の球で前に出る機会を待てます。

回転をかけすぎたリターンに注意

USA Pickleball のスライスのリターンについてのページでは、サーブ側から見て、相手のリターンに逆回転(スライス)がかかっていたら、3球目はほぼ毎回ドライブで強く打つようすすめています。リターン側から見ると、回転をかけたリターンは強い3球目を招きやすいということです。回転を使うなら、深さと低さを保てているかを一緒に確かめます。

状況 リターンの選び方 その後の動き
体勢に余裕がある 深く、真ん中寄りへ すぐ前へ出てキッチンの線へ
前に出る時間が足りない 弧を大きくした山なりで深く 飛んでいる間に前へ進む
途中で間に合わない 低く返すことを優先 スプリットステップで構え、次の球で前へ

リターンでよくある失敗と練習の例

最後に、リターンでよくある失敗と、練習の組み方の例をまとめます。時間配分は例なので、コートの予約時間や人数に合わせて調整してください。

よくある失敗

  • ベースラインぎりぎりをねらう: 長くなってアウトになりやすくなります。2〜3フィート内側を目安に戻します
  • 打った後にその場で見送る: 前に出る時間がなくなり、トランジションゾーンで足元をねらわれます。打ったらすぐ動き出します
  • 無理にフォアハンドで回り込む: 体勢が崩れて浅くなります。間に合わなければバックハンドで返します
  • アウトになりそうなサーブまで打つ: 相手に点をあげることになります。長いサーブは見送ります

練習の例

  1. 深さをそろえる(例: 10分): 相手にサーブを打ってもらい、ベースラインの2〜3フィート内側にコーンやタオルを置いて、その手前に返します
  2. 真ん中へ集める(例: 5分): 相手2人の真ん中を目印にして、深く真ん中へ返します
  3. 返して前へ(例: 10分): リターンを打ったらキッチンの線まで進み、相手が3球目を打つ直前にスプリットステップを入れます
  4. 山なりを混ぜる(例: 5分): 深いサーブを出してもらい、弧を大きくしたリターンで前に出る時間をつくります

人数に合わせた練習の組み方は「ピックルボール 練習メニュー|人数別の組み方」、競技の全体像は「ピックルボールとは?」で紹介しています。体に痛みがある時は無理をしないでください。

段階ごとのリターンの目安

USA Pickleball のスキルレベルのページには、レベルごとのサーブとリターンの説明があります。いま何を練習しているかの目安にできます。

レベル サーブとリターンの説明(要約)
3.0 ふつうの速さで打てるが、深さ・方向・安定がまだ足りない
3.5 サーブとリターンを安定して入れられるが、深さの調整はまだ限られる
4.0 大半のサーブとリターンを、深さと速さを変えながらねらった所へ運べる

リターンを弾ませてから返す決まりそのものは「ツーバウンドルールとは」で、やりがちな誤りと合わせてまとめています。

よくある質問

Q. リターンはどこへ返すのが基本ですか?

A. 深く、真ん中寄りで、少し相手のバックハンド側が基本とされています。ベースラインの2〜3フィート内側を目安にします。

Q. リターンを打った後は、すぐ前に出てもいいのですか?

A. 出て大丈夫です。ツーバウンドルールでサーブ側は3球目まで後ろに残るので、リターン側は打った直後から前へ進めます。

Q. リターンを受ける時、パートナーはどこに立てばいいですか?

A. 最初からキッチンの線に立つ形が紹介されています。受けない人はサーブを返さないので、後ろで待つ必要がないためです。

Q. サーブがキッチンの線に落ちたら、返したほうがいいですか?

A. ルール要約では、キッチンの線に触れたサーブはショートでフォルトとされています。無理に返さず見送ってかまいません。

Q. 前に出るのが間に合わない時はどうすればいいですか?

A. 弧を大きくした山なりのリターンで時間をつくる方法があります。途中で止まる時は、低く返して次の球を待ちます。

Q. リターンで強く打って決めにいくのはよくないですか?

A. 決まる時もありますが、基本は深く確実に返して前に出ることです。安定して深く入れるほうが価値があるとされています。

参考・出典

この記事のリターンの打ち方、ツーバウンドルールとフォルトの扱いは、2026年9月29日に各公式ページとルールブックを開いて確認した内容です。ルールや技術ページの説明は更新されることがあるので、大会に出る前は公式のページをご確認ください。

最終更新日: 2026年10月5日

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